コロナからの提案

 今回の新型コロナウイルスの蔓延によって世界中が危機的な状況にありますが、視点を変えれば経済活動が停滞することによって、温暖化などの環境問題は改善しているそうです。地球がこれ以上の環境破壊を食い止めるために新型コロナウイルスを誕生させたのかもしれません。人類はこのウイルスを克服し、さらなる環境破壊に進むのか、これを機に歩みを変えるのか、自粛のなかで考えなければならなことなのかもしれません。


 環境ばかりではなく生活を見直す機会でもあります。盛んに叫ばれる新しい生活様式についても考えなければなりません。バブルのころより今日まで美味しいものを食べて飲んで、楽しい旅行に出かけ、様々な趣味を持ち、欲しい物を買って、人生を楽しむことが生きることだと考えられてきたのかもしれません。今回の自粛によって、その多くができなくなり自宅にこもるなかでストレスを感じるのは、そういった生活を望んでいたからかもしれません。


 静と動があるとすれば「動」が中心の生活でした。ですが、バランスを考えるならば「静」も必要なのです。静とは心のやすらぎや平安だと考えます。動の生活は慌ただしく楽しくとも欲と表裏であり疲れるものでもあります。静の生活は一見つまらなそうにも見えますが、極めればおだやかさのなかに感謝と感動を見出すことができます。今回の自粛のなかで虐待が増えたというものは悲しい事実です。せっかく家族とゆっくり過ごせるのに、それをストレスと感じるのは普段の生活を反省しなければなりません。忙しさのなかで失われていたものを見直す機会にしたいものです。