風林火山の如くに

 「あの人は持っている」という場合、それは幸運だったり人望であったりするものです。そういった資質というものは偶発的に備わったものではなく、本人が努力して獲得したものだと思うのです。幸運も人望もつかむものであり、じっとしているだけでは逃げていくばかりです。大事な局面であることを理解し、手を伸ばしてつかむという一連の作業を正しく実行できる人が幸運や人望に恵まれるのです。


 教室でも職場でも自分から手を挙げられる人は少ないのかもしれません。手を挙げるという行為にも様々な苦悩や思惑が伴うものです。しかし、人間は考えれば考えるほど動けなくなるものです。幸運や人望を獲得できる人は最初に動く人です。もちろん考えなしに動いても得られるものではありません。思考力と行動力を磨いて迅速に意義のある行動をしなければなりません。ここぞという時の一歩が大切なのです。


 普通は周囲の思惑や行動が気になり様子を見ながら誰かが動いてから行動するものです。しかし、それでは2番手にしかなれません。競争する必要はありませんが、動くべき時には風のように、落ち着くべき時には林のように、信念をもって発言すべき時には火のように、動かざるべき時には山のように、風林火山を心がけチャンスをものにしたいものです。