周囲の心の声に

 人の想いに沿って生きることは大変です。私たちは嫌でも周囲の期待や失望が伝わってくるものです。目の前の人が自分に何を求めているのか、遠回しな言葉や態度で分かってしまいます。周囲の想いなどまったく伝わらない鈍感な人がうらやましくなりますが、大概の人は周囲の想いにどのように応えるのか苦悩しているのではないでしょうか。


 周囲の想いに応えるべく頑張っても、知らないふりをして無視しても、どちらにしても苦しいものです。ですが、どうしても生きるということには周囲の想いが付きまとうものです。身勝手な期待や要望などうんざりしますが、上手に付き合っていくしかありません。そのためには周囲の想いにある程度は応えられる努力、お互いの想いが暴走しないような信頼関係、周囲の想いにつぶされない心の強さなど、関わって生きていくために必要なものを獲得しなければなりません。


 もしかしたら周囲の心の声というものは自分の想いを代弁しているのかもしれません。自分が日頃から想っていることが相手に投射され、相手の心の声として聞こえてくるのかもしれません。今の自分が嫌で新しい自分に生まれ変わりたいと思っている人には、今の自分を否定する声や今の自分では成しえないような期待の声が聞こえてくるのかもしれません。日頃から自分がどのような想いを抱えているのかを考え、その想いを導けるようになれれば周囲からの声も今よりは気にならなくなるのかもしれませんね。