好き嫌いせずに

 大変なことが続くと平穏そうな人がうらやましくなってしまいます。どうして私ばかりが苦労しなければならないのかと憤るのです。ですが、冷静に考えれば平穏そうに見える人でも、その人なりの苦労や苦悩があるものです。外見からその人の人生など分からないものなのです。様々な苦労を経験してきた人ほど、そういった気配がないものです。逆にたいした苦労もしていない人ほど大げさに騒ぐものです。


 そもそも自分の苦労や苦悩を周囲と比べても意味がありません。自分がつらい時ほど怒り、悲しみ、無力感、嫉妬、不信など様々な感情が大きく渦を巻きますが、その渦に飲み込まれたら不幸になるばかりです。ぐっと耐えなければなりません。自分に与えられた苦労や苦悩に最善を尽くしていくことで消化することができるのです。苦労や苦悩が大きければ大きいほど、消化できれば大きく成長することができます。


 好き嫌いの多い人ほど栄養のバランスが偏り健康を害します。食事も大事な栄養素ほど苦く、害をなすものほど美味しく感じるから不思議なものです。人生全般において楽だと思うものは私達をダメにして、大変だと思うものが私達を成長させてくれるのかもしれません。そのように考え自分に与えられた課題に誠実に挑んでいきたいものです。