私達も宇宙人に

 現代人は時代の変化に翻弄されているように感じられます。次々に新しい価値観や商品が登場し、そのサイクルは年々加速していきます。ようやく慣れてきたころには古くなっており、新しいものを勧められます。ガラケーなど販売しているショップの店員でさえ迷惑そうにスマホを勧め、ガラケーの機種変更など悪意があるかのように手間と時間をかけさせられます。新しいというだけで歓迎され、古いというだけで疎まれるとしたら、必ず年を取っていく人間にとっては住みやすいとはいえない社会です。


 また、時代の最先端を走っている若者が楽しそうに見えないことが多いのも特徴なのかもしれません。何がなくても未来と希望だけはあるはずなのに、無気力に疲れている姿は忍びないものがあります。ファミレスの24時間営業が廃止されつつありますが、その理由の一つにSNSの普及でみんなで集まる必要がなくなったことがあげられます。ですが、スマホに頼った人間関係だけではリア充という言葉が登場したように充実した生活を送ることはできません。深夜にみんなでバカ騒ぎをすることも迷惑ではあれ必要なことなのかもしれません。


 よく描かれる宇宙人の姿を見ていると人間が退化した姿に見えることがあります。宇宙旅行ができるほど文明が進化しても、文明に頼ることで人間が退化してしまっては意味がありません。どのよう時代になっても人間の本質は変わらないと思うのです。人間にとって本当に必要なことは何かと探求するところに時代に翻弄されない生き方があるように思うのです。