婚活の限界

 テレビで若者の婚活を特集していました。若者に人気の婚活アプリは、まるでカタログショッピングをするかのような印象を受けました。初対面で相手の情報を聞き出す必要がなく楽なのだそうです。ですが、選択肢(相手)が増えれば増えるほど、かえって決められなくなるように思うのです。「この人しかいない」と思って付き合うのと、「もっと素敵な人がいるかもしれない」と思って付き合うのでは違うと思うのです。スマホの前では一期一会という言葉も虚しいものになってしまいます。


 結婚ばかりではなく人生そのものが合理性や計画性で図れるものではありません。そうならないのが人生であり、だからこそ楽しいのだと思うのです。大切なのは思うようにならない時の柔軟性です。合理や計画が崩壊した時こそ状況に応じた柔軟な対応が求められます。私達は与えられた状況や条件のなかでしか生きていくことができません。理想と現実の狭間でどのように生きるのかが問われます。


 柔軟に対応していくために必要なものはスマホではなく経験と自信です。人生の大事な選択ほどスマホで検索しても答えはなく、今までの経験を基に自分を信じて選び取るしかありません。合理的・計画的な選択肢などなく、不合理であったり突発的であったり満を持して選べるようなものではありません。大切なことは経験値を高めるため様々なことに挑戦してみること、そして何事からも学ぼうとする意識だと思うのです。便利な道具を使うのは悪いことではありませんが、便利な道具がなくなっても大丈夫なようにしておくこと、そして大切なことの本質を見失わないようにしたいものです。