2020年 子年の意味と心構え

 来年は子年です。子年は十二支の始まりであり、種子のなかに新たなる生命が宿った状態を表します。また増えるという意味もあり子孫繁栄や蓄財を表すことからネズミがあてられました。そのため子年の守り本尊は千手観音なのですが、ネズミを使いとする大黒天の御縁年にもなっています。可能性のある未来へ向けて出発する年であり、明るく希望に満ちた一年にしたいものです。ネズミには行動力があり、ひとつひとつの動きは小さくても継続することで、やがて大きな成果となります。まさに積小為大を象徴しています。

 

 個人的には十二支のなかで最も小さく弱いネズミが最初にあてられたのは、新しい十二年をはじめるにあたり、まずは自らの弱さを知ることが大切であるという教えだと考えています。何事も謙虚であるからこそ周囲の理解と協力を得て着実に歩むことができます。自らの弱さを知るからこそ、相手の弱さも理解でき、お互いに助け合うことができるのです。人という字は二人の人間がお互いを支え合う形であり、人間という字は一人で生きることはできず人の間でしか生きられないということです。和を尊び支え合いたいものです。


 今年は庚子(かのえ・ね)の年です。庚はあらたまるという意味があり、子が始まりを意味するのに対して庚は変化を表します。このふたつが合わさることで新たなる局面を迎え、それに伴う成果も期待することができます。そのためには自分なりの価値観や信念を持ち、揺らぐことなく着実に歩んでいかなければなりません。せっかくの好機も何もしなければ得られるものはありません。謙虚な気持ちで小さなことから丁寧にはじめ、新たなる十二年を創っていきたいものです。新年を迎えるにあたり皆様の益々のご清福を心より祈念申し上げます。合掌