環境先進国は妄想でした

 スペインのマドリードで開催されているCOP25では日本の環境政策が非難され、化石賞なる不名誉な賞も授与されたと知りました。今まで問題なのは中国やアメリカであり、日本は先端技術によって地球環境をリードしていく立場にあると思っていました。ところが、火力発電所で石炭を燃やしていること、またその火力発電所を新設したり輸出していることが、環境先進国からは非難されているということは知りませんでした。


 知らないということは恐ろしいことであり、知るということも恐ろしいことです。知らなかった事実をどのように受け入れて、どのように生活していくべきか考えなければなりません。日本という国は恵まれていると思います。豊かな森林に囲まれ水も豊富であり食べ物にも恵まれています。江戸時代には鎖国していましたが、侵略することなくすべてを自給自足でまかなうことができました。ある外国人がはじめて日本に来たときに、海外から木材を輸入する日本は砂漠のような国だと思っていたと言ったそうです。


 恵まれていると気づけないことがたくさんあるのかもしれません。飢えを知らない人に、孤独を知らない人に、挫折を知らない人に、そういったことを議論したり理解することはできるのでしょうか。そんなことをいえば何もできなくなってしまいますが、私には理解できていないことがあるかもしれないという謙虚さが必要です。謙虚さがなければ身勝手な妄想と価値観の世界から抜け出すことはできません。そして色々なことを経験しながら自分の世界を広げていきたいものです。