優秀で愚かな発言

 問題になっている桜を見る会の出席者リストの破棄が遅滞した理由としてシュレッダーの不調のためという発言がありました。誰が聞いても無理のある発言に思えました。以前、私が行政に陳情に行った際にも同じような発言がありましたが、発言者はけして無能ということではなく優秀なのでしょうが、無理して嘘を通そうとすればいかに優秀でも愚かな発言しかできなくなってしまうものです。


 たとえ嘘をついてしまったとしても早い段階で正直に謝ってしまえば楽になれるのですが、嘘を通そうとすればするほど苦しくなります。優秀で責任ある大人でさえ小学生のような嘘をつかなければならないのは屈辱であり空虚なものです。そもそも嘘には合理性がなく道理にも合致しませんから、つじつまを合わせようとすればするほど逆におかしくなります。本人も周囲も分かっていながら嘘に支配された劇場で演じているようなものです。


 正直であれば、この世界はとてもシンプルで楽になります。すべてがありのままで無理がなく、何物も誤魔化す必要がなくなります。人間は自分や周囲を偽ろうとして苦しんでいます。自分を良く見せようとしては苦しみ、家族に理想を求めては苦しみ、社会に希望を求めては苦しんでいるのです。今の自分や家族に点数をつけて、その点数をあげようとして苦悩します。そもそも点数をつける必要すらないのです。肩の力を抜いてもっとありのままに歩んでいきましょう。