ランクとスペックを競って

 テレビの番組で同級会の話題を取りあげていました。そのなかで同級会はお互いのランクやスペックを競うためにあるという発言があり、成功していたり充実している人間が行くものであり、そうでなければ辛い思いをするということでした。しかも40歳を過ぎればほぼ勝負が決まってしまうため絶望的なのだとか、さらに60歳を過ぎれば健康や長寿しか競うものがなくなると言っていました。


 同じ人間はおらず、それぞれに環境も個性も違うのに、自分の物差しで比べようとしては一喜一憂して苦しむのが人間です。自分は自分、他人は他人と分けて考えれば楽になれるのに、それができないため苦しいのです。私達は比べるのではなく、認めることのほうが大切なのではないでしょうか。ありのままの自分と相手を認めることが必要です。


 子供の頃から点数や順位をつけられることに慣れてしまい、社会人になってからもあたりまえのように比較される生活をしています。画一的な競争も必要なのですが、そういう社会で暮らしているからこそ、比較する必要のない自分を確立しなければなりません。世間の競争や価値観が自分のすべてになってしまうと苦しくなります。そういう世界で生活しながらも、自分のなかに外界から影響されないおだやかで満たされた世界を持ちたいものです。