鏡よ、私の心よ

 他人を許せない人は自分を許せない人です。他人を信じられない人は自分を信じられない人です。この世界とはすべて自分の延長線上にあるものです。ですから100人の人間がいれば100の世界があります。たしかに私達の生活は世界の政治や経済の影響を受けますが、大切な部分というものは自分次第なのです。どのように自分という人間と向き合い、その先にある世界とつながっていくかを考えなければなりません。


 私はこの世界とは自分の心を映しだす鏡だと思っています。すべて心というフィルターを通して見ているのです。この世界を醜いと感じるのは、この世界に怒りを感じるのは、この世界に失望するのは、自らの醜さ、怒り、失望を映しだしているだけなのです。そのように考えることができれば、逆にこの世界は自分の思うがままに作り変えることができるはずなのです。信頼でき喜びに満ちた世界にすることもできるのです。


 現実世界に翻弄されている人々は自分の心を制御できないでいるのです。心が落ち着けば、世界も安定します。思春期には些細なことで世界の終わりのような気分になりますが、自分自身もこの世界も何事もなかったかのように次の日を迎えるものです。大騒ぎしているのは自分だけであり、冷静になってみればたいしたことではないのです。これからますます世界は荒れてくるかもしれませんが、そうであるならばなおさら自分の心は安らかでありたいものです。