初宮に思う

 初宮参りのご両親に話していることがあります。結婚はお互いに相手を選んで成立しますから、選んだ責任というものがあります。結婚してみたら相手はとんでもない人間だったとしても、相手に騙されたと憎んでも嘆いても自分にも責任があります。それに対して子供は両親を選んで生まれてくるわけではありませんから、両親の責任は重いのです。

 


 人間は子供のころから自分中心に生きていますが、親になれば自分よりも子供を優先しなければなりません。この自分よりも優先すべき存在があるということに感謝しなければならないのです。子育てとは親育てでもあります。子育てを通して親も親として成長していかなければなりません。子供に対しても、子供の親として社会に対しても胸を張れる人間にならなければなりません。

 

 親の責任とは子供を自立させること、子供に恥じない生き方をすることなのではないでしょうか。今は友達のような親子が多くなりましたが、同じレベルでの仲良しではいけないのです。親はいつも行動によって子供に手本を見せなければなりませんし、子供から尊敬されなければなりません。こういう父になりたい、こういう母になりたいと思われたうえで、親子仲良くしたいものです。