私のなかの化学変化

 案内文を作るときに、分かりやすいよう配慮したり誤解されないよう表現に注意したり細かい所まで詰めていくと1枚の文書でも大変です。ですが、何事においても細かいこと小さいことができずに大きなことはできないと思うのです。大きなことばかりを求めて小さなことを疎かにしている人で成功する人はいません。ただ全体は見えているのに細かい所が見えていない人、細かい所は見えるのに全体が見えない人がいるものです。これは性格に起因するところが大きいとは思いますが、上手にバランスを取らなければなりません。感情と理性、慎重と大胆、楽観と悲観、思考と行動など私達の性質とはふたつに分かれており、さらにはどちらかに偏ることが多いようです。偏っていることも個性といえますが、左右のタイヤサイズが大きく違う車は前に進むことはできません。


 私達は自分のバランスを整えなければなりませんが、これがなかなかに難しいものです。感情に流されやすい人と何事も理屈で考える人の中間はどのあたりでしょうか。臆病な人と何も考えず突進する人の着地点はあるのでしょうか。相反する人間が協力すると大きな力を発揮することがありますが、一人の人間のなかでも相反する性質を上手に統合することができると、新たなる力を得ることができます。今までマイナスだったもの同士でも足せばプラスになります。このようにして私達は自分を育てていかなければならないのです。知識や経験も大切ですが、自らの性質を見定め上手な化学変化を起こすことも必要なことなのです。