自由ということ

 人生の自由度について考えてみました。たとえば食事や旅行は自分でメニューや行き先を決めることができます。学校や会社は希望に見合うだけの努力をすれば入ることができます。しかし、学校や会社を選べても配属先や上司を選ぶことはできません。誰も病気になりたい人はいませんが、日々の節制や運動に勤しむことで避けられる病気もありますが、多くの病気はある日突然やってくるものです。結婚も自分の意志だけでは決めることができません。


 考えてみると人間というものは不自由な存在だといえます。大人になれば自由を保障されますが、その自由とは不自由のなかのほんの一部分の自由なのかもしれません。私達は思うようにならないなかで日々生活しているようなものです。たとえるならば冷蔵庫のなかにある食材だけで調理をさせられているようなものです。自分に与えられた食材を見て、何も作れないとあきらめる人がいます。また、高級食材を与えられたのに傲慢となり、せっかくの高級食材を腐らせてしまう人もいます。


 与えられたものに不満を持つことなく創意工夫で自分だけの料理を作ればよいのです。大切なことは料理を楽しもうとすることであり、楽しもうとする気持ちがあれば料理はいつの間にか上達し、どのような食材であっても最高の料理となります。人生を不自由だと思う人は心が不自由なのです。どのような規則や束縛があっても自分の心が自由であるならば、何物にも囚われることなく自由に生きることができるのではないでしょうか。