完結した人間

 社会生活の理想は1人の人間として自立した、さらには人間として完結した者同士が共存共栄していくことです。人間は何もできない状態で生まれ両親はじめ様々な人々の恩恵によって成長し大人になります。大人とは20年以上生きているということではなく、自覚と責任を持ち経済的にも精神的にも自立しているというのが本義ではないかと思うのです。


 ところが現状は依存社会といえるような状態なのかもしれません。いつまでも親に頼り、いつまでも子離れできず、世話してもらわないと何もできず、指示がないと働くことができず、ネットがないと楽しめず、飲酒やギャンブルがないとストレスを解消できない、と様々なものに依存しているのかもしれません。


 自分のことはしっかり自分でできるというのが社会生活の基本です。この基本が大人の条件といえるのかもしれません。そのうえでの人間関係であり社会生活なのです。大人になり切れない大人が増えれば社会は停滞し不快なものとなります。現実の社会においては、お互いに支え合い助け合って暮らしていくわけですが、頼るばかりではなく1人の人間として完結を目指したいものです。