巡礼ブームを考える

 以前も紹介しましたが今年は5月1日から10月31日まで置賜三十三観音のご開帳がおこなわれています。観音巡礼といえば西国三十三観音が有名です。1300年の歴史がありそれぞれのお堂も本尊も文化財ばかりです。訪れるならば誰しも荘厳な世界に信心の目覚めを感じるのではないでしょうか。また参道も整備され安全に参拝できるようにもなっています。


 足で移動していた時代には簡単に西国まで行くことはできず、もっと身近な所で観音巡礼がしたいと全国に三十三観音音霊場がつくられるようになります。いわば地方の観音霊場です。本家と比べればお堂も小さく由緒ある本尊ばかりではありません。また、参道も砂利道や山道でありたどり着くのも大変な所もあります。巡礼ブームということもありご開帳ともなれば地方の霊場にも全国から巡礼者が訪れます。


 全国の霊場を巡っている人ほど参拝よりも評価したい人がいるものです。まるで通知表をつけるかの如くメールを送ってくる人もいます。ここは良かった、ここが悪かったと評価するよりも、まずはしっかりと参拝していただきたいというのが本音です。大切なことは霊場の規模や格ではなく、どのような霊場であろうとも同じように参拝できる心なのです。一心に手を合わせお参りすること以上に大切なことはありません。