苦悩も不安もありがたい

 出勤のない私は新しく始まった朝ドラ「なつぞら」を見ています。昔大ブームとなった「おしん」にも通じるような雰囲気を感じます。舞台となっている戦後間もないころの貧しさと苦しさは経験したことのない私には想像できない世界です。生きるか死ぬかという生活をしていれば5年先10年先のことなど考えることはできません。目の前の現実以外にはなにも存在しない世界なのです。


 平和な時代だからこそ理想であったり未来を考えることができるのです。理想と現実の狭間で苦悩したり、将来への期待や不安に一喜一憂するのも、暮らしている社会が豊かであるからこそであり、贅沢な悩みなのかもしれません。そんな社会に生まれたことに感謝しながら、たとえ苦悩しながらも前向きに生きていきたいものです。生まれてくる時代を選ぶことのできない私達にできることは、自分が生まれた時代を誠実に生きていくことなのです。


 どのような時代であれ賛否両論あるものです。「ゆとり教育」にも賛否がありましたが、他の世代よりも優れた人も多くいます。そういう人は時代に流されることなく、為すべきことを為してきた人々です。今の時代に不満を感じる人が多ければ変わってきますし、今の時代を楽だと思う人が多ければ退廃していきます。時代は移ろうものであり、時代に翻弄されないようにしたいものです。