生きるということの意味

 人はなぜ生きるのか、最もシンプルに表現するならば幸せになるために生きています。すべての人間には幸福になる権利があります。私達はお互いに幸せを求める同志が集まり社会を形成して暮らしているはずなのです。科学は人類の幸福に寄与するためにあり、国も企業も国民を幸福に導くために存在しています。この世界に存在するものすべてが人間を幸福にするためにあるわけですが、どうして世界は争うばかりで平和が実現しないのでしょうか。


 個人も国家も自分の幸福ばかりを考えていると相手の幸福を奪ってしまうのです。相手の幸福を奪って自分が幸福になれる道理はなくお互い不幸になるのです。求められることはお互いの幸福なのですが、このバランスをとるのが難しいのです。お互いに自分のことよりも相手の幸福を考えることができれば幸福になれます。ところがお互いに自分のことを優先したり、どちらかが自分を優先してしまうと、幸福は遠ざかります。


 誰もが願ってやまない幸福なのですが、その実現は簡単なようで難しいようです。ですが、難しく思うのは難しく考えるからであり、ただお互いの幸福を願うことができれば、その瞬間に幸せになれるのです。国家は幸福の実現よりも自国の権利や財政を考えてしまいます。企業も幸福への寄与よりも収益や景気を考えてしまいます。個人も幸福の追求よりも生活や将来を考えてしまいます。幸福を後回しにしているから幸福になれないのです。そもそも何のために存在しているのか、何のために生きているのかを考え、その根本に思いをはせるならば自然と答えは見つかるはずなのです。