いつも楽しみを

 いつも楽しそうな人がいます。そういう人は必ず自分なりの楽しみを持っているものです。仏教的に考えれば人生には苦難が伴うものですが、そういった苦難に負けない楽しみ、悲哀に負けない喜びを見いだせた人が人生の勝利者ではないかと思うのです。私達はいつ嵐に遭遇するかも分からい海を航海しているようなものです。そんな危険な海を筏で航海しているような人もいます。些細なことで人生に絶望することがないよう、人生に対する覚悟と自らの人生を豊かなものしようとする意欲が必要ではないかと思うのです。


 人生を楽しもうとする人にも、三つのタイプがあるように思います。ひとつ目はお金を使って自分が楽しむというタイプです。旅行や買物などお金を使い人生を謳歌しようとするタイプです。ふたつ目は時間を楽しむタイプです。物を買うのではなく、豊かな時間を求めます。求める時間はそれぞれでしょうが、家族の時間や趣味の時間など時間のなかに喜びを見出します。みっつ目は他者の喜びを自分の喜びとするタイプです。社会や人に貢献したり喜ばせようとするタイプです。また1人で静かに楽しみたいタイプとみんなでワイワイ楽しみたいタイプにも分かれます。


 せっかくの人生ですから楽しく豊かなものにしたいと誰もが願うと思います。私は「楽しい」ということにも浅深があると思っています。他者の楽しみを評価する必要はありませんが、いかに自分の楽しみや喜びを深めていくかを考えなければなりません。楽しいだけの時間は虚しくなるものです。たとえ困難が伴ってもあきらめることも飽きることもなく長く続けられるものを持ちたいと思っています。どんなことであれ好きで長く続けることで充実した時間と思い出に満ちた人生になるのではないでしょうか。