妄想が真実になった時

 先日、些細なことでイライラしたことがありました。結局は私の勘違いだったのですが、友人に相談して自分の勘違いだと分かるまでは大変でした。私の妄想が間違いだったと気づいてからは、どうして私がこんな妄想と呼べるほど不信と憎悪に支配されていたのか理解に苦しむほどでしたが、支配されている間は自らの妄想が真実でした。自分の心に生まれた勘違いが増幅され続ければ、いつかは事件にまで発展するかもしれないという恐怖を感じました。


 相手に対するマイナスの感情は一人で抱え込んでしまうと成長していきます。どんどん大きくなり心の中心に居座り寝ても覚めても、そのことばかりを考えるようになります。やがてはお互いにとって悲惨な結末を迎えるかもしれません。ほんの些細な勘違いでも放置してはいけません。誤解を解くには本人と話すのが最良ですが、それが難しい場合には冷静で良識ある友人に相談しなければなりません。


 人間というものは一人で考えるとろくなことになりません。何事においても対話が大切だと痛感しました。自分のなかで妄想が真実になった時には自力での脱出は難しいものです。妄想の闇から自分を救い出してくれる友人が必要です。相手の愚痴を聞くのも忍耐が求められることもありますが、お互いに愚痴を言い合える関係も必要です。その関係のなかで妄想を打破する光明を探したいものです。