公平でなければ

 自分の心が自らの思いでいっぱいになっていると相手のことを考える余地がなくなります。自分の心のなかに相手の居場所を作ってあげることで、相手のことも考えられるようになります。怒りや悲しみといったマイナス感情は心を占領してしまいます。なかなか相手を許せないという時は心が怒りによって占領されており、相手の思いや立場というものを追い出している状態なのです。そんな状態では冷静に相手のことを考えることはできません。


 心を落ち着けて怒りの感情を小さくしなければ相手を許すことなどできません。「反省の態度がみられない」とか「また同じことを繰り返すはずだ」など相手を許さないことを前提にした思考しかできなくなります。心の大きな人はどのような時であっても相手を思うスペースがあるため、プラス感情や道理に基づいて考えることができます。人間関係には必ず相手が存在しますが、多くの場合には相手がどうこうということではなく、自分の問題であることが多いものです。


 人間関係を考えるときには公平性が大切だと思います。自分の心のなかは相手には見えませんが、そこから生まれてくる言葉や行動には自分の心が反映されているものです。身勝手、偏見、憎悪、不信など隠そうとしても思っていれば節々に表れてくるものです。自分の感情に翻弄されているうちは公平に物事を考えることはできません。お互いにとってベストな選択とは公平性から生まれてくるものです。しかもお互いに公平性がなければ良き関係を築くことはできません。心を落ち着けて相手と向き合いたいものです。



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