正しい自己評価

 私達は自分という存在を正しく評価するということがなかなかできません。自分を卑下して低い評価をしたり、傲慢になり必要以上に高い評価をしたりします。また、自分の評価を他人に任せる人も多いようです。自分がどう思うかよりも、他人にどう思われるかを基準しています。自分で自分を評価する人は良くも悪くも現状に満足する割合が高いのに対して、他人の評価に頼る人は頑張るほどに高まっていく評価のハードルに苦しんでいるように感じることが多々あります。


 自然災害では電気や水道が途切れると自分ではどうしようもなくなります。普段はあたりまえのように使っていても、自前ではなく一方的に与えられているものです。精神世界においても誰かに依存していると、自分の思い通りにはいかないものです。日本人は欧米と比べると周囲の目を意識することで、自らを律する傾向があります。人の目や世間というものが日本においては大きな抑止力になります。ですが、自分への評価を周囲に依存するようになれば、自分という人間が分からなくなります。


 自分が何を求めているかではなく、周囲が自分に求めているものを基準に生きていると、本当は自分が何をしたいのか何を求めているのか分からなくなります。親の言うとおりに勉強して一流大学を卒業して一流企業に就職して、目標を達成して親元を離れた途端に、これからどのように生きていくのか分からなくなり苦悩する人もいます。人生の主役は自分であり周囲に助言は求めても、人生おける責任は自分にあります。その重責から逃れようとするのではなく、楽しもうとすることが大切だと思うのです。



応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村