災害復興の原動力

 連日、今回の豪雨災害の報道がなされています。自然の猛威もすごいものですが、そこから復興しようとする人間の力も素晴らしいものがあります。多くの人々がボランティアとして汗を流している、その姿は日本人の心の復興さえも象徴しているかのようです。人は困難に直面してこそ真価を発揮するものです。大きな災害が日本人が忘れていたものや眠っていた力を呼び起こすのかもしれません。


 今回のことで考えることは自分のためではなく、誰かのために人々が集い大きな力を発揮しているということです。それが人間本来の力の使い方なのではないでしょうか。また、緊急時ばかりではなく、つねに相手を想うやさしい気持ち、社会のために役に立ちたいという志、自らの力や能力を誰かのために役立てたいと思うことができたら素晴らしいことです。


 人間には死ぬまで自らの役割や居場所が必要です。自分のためだけに生きている人は、社会からも周囲からの必要とされなくなります。逆に人の役に立ちたいと思うならば必ずその場所が与えられるものです。私達はつながりのなかでしか生きることができません。そのつながりは与えられるものではなく、誰かのために尽くすことから芽生えてくるものです。


 「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、本来は相手への親切は相手のためではなく自分のためになるものだという意味です。相手を支えることは自分を支えることであり、相手を想うことは自分を想うことでもあります。自分と相手という境界線を越えることで、しっかりとつながって生きることができます。日本で暮らしていれば災害と無縁でいることはできませんが、お互いに手をとり災害以上の復興を成し遂げたいものです。



応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村