欠点あればこそ

 人は誰しも弱さや愚かさを抱えて生きているものです。光があれば影が生まれるように、人間も長所があれば短所があり、得意なことがあれば苦手なこともあります。なくて七癖といいますが、完璧な人間などいるわけもなく、私達は自分という人間に苦悩することもあれば嫌悪することもあるものです。誰にでもある弱さや愚かさとどのように付き合っていくかを考えなければなりません。


 自分の弱さや愚かさを自らで克服しようという姿勢も大切なのですが、不得手なことを習得するためには得意なことを習得する数倍の労力と時間がかかります。また、自分を改めたり律するといっても一人では限界があります。こういったことを考えるならば、効率的というよりは現実的な選択として、頼るということも必要になります。そして自分の弱さや愚かさを素直に認めることができると、それを補ってくれる人が現れるものです。


 たとえば優秀な社員を遠ざける2代目社長がいたとしたら、自分の現在の能力や欠点を認めることができないのです。自信がないと素直に人を信じることや頼ることができません。夫婦も信頼関係があってこそお互いを補うことができます。世の中の様々な関係を見ていると最初からそうだったのではなく、時間をかけながら補完の関係が築かれてきたのだと感じさせられます。商売はたくさんあるところから足りない所にもっていくことで繁盛します。人間関係はお互いの足りない所を補うことで深くなるのではないかと思うのです。



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