世界と私の幸福

 江戸時代であれば、村という共同体のなかで生活が成り立ち完結していました。現在はグローバル社会といわれますが、世界中の顔も名前も知らない人々の仕事によって、私達の生活が成り立っています。そういう意味では戦争や紛争はありますが、すでにこの世界はひとつになっているのかもしれません。


 私達の生活は他国や他人に依存することで維持されています。世界中がひとつとなり歯車のようにつながって動いています。そのなかで国も人もひとつの部分やパーツとしての役割があり、その与えられた役割を全うすることで、この世界は健全に維持されていくのです。人間は悪いことをする時や言い訳をする時に「私くらいは」と言いますが、この世界に予備の人間や不要な人間はいないのです。本来、必要なはずなのに、自らその役割を放棄しているに過ぎないのです。


 私達は与えられた役割に目覚め責任を持たなければなりません。さらには自然や社会と調和しながら生活していかなければなりません。人それぞれに役割や立場が違い、価値観も個性も違うなかで調和することは容易ではありませんが、周囲との調和なくして自らの平安はありません。


 外界の影響を受けながら生活しているわけですから、家族や友人をはじめ自分と関わるすべての人の関係性によって、自らの平安や幸福が定まっていくということを忘れないようにしたいものです。自分一人だけの幸福というものはなく、関わるすべての人が幸福にならなければならず、世界中の人々がつながっている現代社会においては、世界が平和で幸福でなければ、そこで暮らす人々の幸福もなくなってしまいます。



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