存在感

 人生において、誰かに必要とされる存在であることは、大切な要素ではないかと思います。家庭・会社・地域・友人など必要としてくれる人数とその度合いが幸福に大きく関わってきます。自分が悠々自適に楽しく生きることよりも、自分のためではなく誰かのために役立てること、必要とされることのほうが、その人の人生を豊かにしてくれるのではないかと思うのです。ボランティアに生涯を捧げることを勧めているわけではありませんが、人間関係において頼られるということは必要なことなのです。


 頼られる人の特徴をあげれば、頼まれれば文句を言わず責任を持ってやってくれる、人の悪口や陰口を言わない、損得がなく恩着せがましくない、何事も周囲との調和を考え波風を立てないなどがあります。頼りたくなる徳を持つ人が頼られる人なのです。何かと頼まれるのは面倒だと思う人もいると思いますが、頼まれているうちが良いのであって、誰も来なくなったら寂しいものです。特に老後の生活においては頼られる自分の役割を得ることが大切です。究極は生きていてくれるだけでありがたいと思ってもらえれば最高です。


 人間関係において必要なことは、たとえば仕事で営業成績をあげる、難しい資格を取るというようなことではありません。自分から声をかけたり手をあげてみるなど、難しいことではなく面倒だと思ったり恥ずかしいと思いなかなかできないことを、あえてやってみる勇気なのです。待っているだけでは自分の居場所も役割も得ることはできません。勇気を持って積極的な一歩を踏み出すことができれば、あとは自然と流れに乗ることができます。




応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村