上り坂と下り坂

 上り坂と下り坂を意識させられることがあります。調子が良い時は何をしても面白いように進むものです。やることなすこと能力以上に成就するものです。ところが、反転して調子が悪くなると途端に何をして頓挫するようになります。何をしてもしなくても裏目になってしまいます。こういった経験をすると自分の能力とは違ったところに大きく影響を受けているのではないかと考えるようになります。


 古来より運気ということが言われ続けています。科学全盛の現代においてさえ、非科学的な分野であるのに衰退するどころかブームになっているようなものもあります。人生とはけして科学だけで歩めるものではありませんが、かといって自分の能力や努力とは違ったところに軸足を置いてしまうと、他力的な人生になってしまいます。自分の人生には自分で責任を持ちながらも、けして自分の努力だけでは進めないという謙虚さが大切だと思うのです。


 人生には自分の思い通りにいかないことが多々あると思います。その部分とどのように向き合うかが大切だと思うのです。私は逆境の時ほど忍耐強くあらねばならないと思います。誰かのせいにすることなく、楽して抜けようとせず、あきらめることなく、じっと耐えることで逆境が順境に変わっていきます。たまたま調子が良い人はすぐに反転しますが、その人の努力や忍耐の成果による順境は、その人が怠慢や傲慢にならなければいつまでも続きます。


 他所から見ているとその人の順境や逆境が偶然なのか必然なのか判断できませんが、同じように見えてもその性質はまったく違うものなのです。順境は感謝と努力によって必然となり、逆境は怠慢と傲慢によって必然となります。反対に怠慢と傲慢による順境は偶然の産物であり長くは続かず、同じく感謝と忍耐があればいかなる逆境も長くは続きません。人生における流れというものを意識しながらも、その流れに頼ることなく、自分の足で歩んでいきたいものです。



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