幸・不幸の違い

 人は誰しも幸福を願うものですが、幸福とは得難いものであり、幸福になれる人は幸運に恵まれた特別な人なのでしょうか。もし、そのように考える人がいるとするならば、その人は自分が幸福になれないと思い込んでいるだけなのです。もちろん、そのような思って日々の生活を送っているならば幸福にはなれません。例えるなら口では結婚したいと連呼しながらも、心の奥底では結婚が面倒であり、そのためどのような相手と出会っても、難癖をつけては相手を遠ざけているようなものです。


 幸福とは特別なことではありません。朝起きて窓から晴天の景色が見えただけでも幸せを感じることができます。近所のいつもすれ違うだけの人と目が合い挨拶できれば幸せだと思います。幸福な人とそうでない人の違いは、ありのままを幸せと感じるか、それとも自らの幸福に条件をつけ幸福のハードルを勝手にあげているかの違いなのです。宝くじの一等が当たらないと幸福になれないと思っている人に幸福は訪れません。


 何によって幸福を感じるかは人それぞれですが、いつも楽しく幸せそうな人はどんなことにも素直に幸福を感じられる人です。友人が結婚することになったら、それを心から喜べる人は人の幸せさえも自分の幸福にできる人です。そういう人にとっては幸福とは空気のようにつねに存在するものになります。幸福というものが存在するのではなく、幸福を感じられる心があるかどうか、さらにはその心がどのくらい幸福を感じられるかが大切だと思うのです。人は誰でも幸福になれますが、そのためには外的な環境や条件ではなく、幸福を感じられる心を持てるかどうかなのです。




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