相手をコントロールする

 売り言葉に買い言葉といいますが、同じ人たちが同じパターンでケンカをするのを見かけます。まるで練習してきたコントのように息ピッタリにいつものように争っています。周囲にも慣れた光景であり、またはじまったとある人は嘆き、またある人は楽しむといったところでしょうか。学習能力という言葉よりも犬猿の仲という言葉がしっかりくる関係です。


 嫌いな相手の顔を見た時にいつも嫌味を言ってケンカをしているなら、たまには感謝の言葉でも伝えてみれば状況も変わると思うのです。お互いに争いたくないと思っており、争うまでの過程が決まっているならば、いつもとは違う言葉や態度で接すればいいのです。いつもとは正反対のアプローチをした時の相手の反応を楽しもうとするくらいの余裕が欲しいものです。人間関係は一方的なものではなく、2人で作りあげるものなのです。


 相手のここが嫌だという所があれば、そこを出させないアプローチを考え楽しめばいいのです。同じ土俵に立つという言葉がありますが、挑発されて争ってはお互い成長のない2人になってしまいます。賢い人は相手の行動を支配します。それは自分が求める行動を得られるようなアプローチをするからです。短慮と短気によって争うのか、知恵と忍耐によって仲良くするのか。相手を変えることができないからこそ、自分が変わりそれによって相手をも変えるのが賢人の道なのです。