人生の味

 不思議なもので、欲しいものほど手に入りませんが、大切なものほど身近にあるものです。生き方の選択肢として、目標を持って生きる方法と、身近にある大切なものを守って生きる方法のふたつがあると思います。目標を持つ攻める生き方とは、努力や忍耐を惜しまず前向きに生きることです。大切なものを守る生き方とは、自分にとって大切なものを見失うことなく生きることです。前者は道徳的であり、後者は宗教的と表現できるかもしれません。


 攻めるためには競争があり努力や忍耐を求められます。守るためには平凡に埋もれない感動や感謝が求められます。どちらを選択するかは人それぞれですが、どちらにも届かい中途半端はいけません。自分はどちらの生き方に適しているのかを考えなければなりません。人により年代によっても違うと思いますが、自分なりの生き方のスタンスを早い段階から身につけようとすることで、時代や周囲に流されない生き方ができるのではないでしょうか。


 たとえば日々の食事は栄養を摂取するためであり、食事と会話を楽しむためであり、生きていることに感謝するためであり様々な意味があります。すべてを備えた食事をする人もいれば、何かに欠けている食事をしている人もおり、そもそも何も考えないで食事をしている人もいます。私は食事をどのように考えているかで、同じ食事であったとしても味わい方が違ってくると思っています。生き方も同じであり、どのように生きようとするかで、人生の味わい方が大きく違ってくるのではないでしょうか。





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