上手に成長するために

 自分に対しても周囲に対しても無茶な要望や一方的な否定をする人がいます。人間はできないことはできませんし、できないことができるようになるにも時間がかかります。変化や成長はゆるやかなものであり、いきなり求められても対応できるものではありません。たとえば姿勢が悪い、配慮が足りない、言葉が乱暴だと言われても、長い年月のなかで身についてきたものであり、簡単に直せるものではありません。


 また、ひとつの欠点があるから、すべてがダメだと全否定されても困ります。「だからあなたはダメなの」と言われても、「だから、どうしてダメなのか」と聞き返したくなります。誰一人として同じ人間がいない社会で暮らしていくためには、違いや欠点を認められる寛容性が求められます。人を許すことができなければ、人と共に生きることはできません。神仏ならぬ我々は一人で100点を取ることはできません。二人で力を合わせてようやく80点というのが、実際のところだと思うのです。ところが、100点に大きく届かない人ほど、自分にも相手にも100点を求めては苦しんでいるものです。


 あきらめることと現状を認めることは違います。開き直ることとありのままでいることは違います。この微妙ではあるけれども、大切な違いを理解しなければなりません。そして必要なことは忍耐をもって挑まなければなりません。変化が必要な場合には気長に説得するという姿勢が大切だと思います。「あなたにはいくら言ってもダメだ」ではなく、「大切なことだから何度でも言います。」というあきらめない姿勢が必要です。根競べで負けたら、何も変わりません。自分が求める変化が本当に大切だと思うなら、あきらめてはいけないのです。自分自身はもちろんですが、親しい人ほど長い付き合いになりますから、長い期間で自分も相手も見守り少しずつお互いに成長していきたいものです。




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