悪意に負けない善意

 人間関係にあっては頼みやすい人がいるものです。親しい関係であったり、何でも打算なしに快く引き受けてくれる人もいます。反対に頼めば必ず文句を言われる、頼んだこと以上の見返りを求められるとなれば、よほどのことがなければ頼もうとは思わないものです。何でも嫌がらずに引き受けてくれる人は重宝がられます。そういう人は人望に恵まれ信頼されるものです。どうせしなければならないとしたら、気持ちよく応えたいものです。


 ただ、そういう人を上手に利用しようとする人もいるものです。悪意に善意で応えるのは大事なことなのですが、難しいことでもあります。相手の悪意に気づいたときに、それでも善意を維持できる人は素晴らしい人です。悪意と善意が交錯したときに、どちらに染まるのかで関係が大きく違ってきます。悪意はなかなか善意になりませんが、善意は悪意に変わりやすいものなのです。


 善意を善意のまま維持するためには、相手に振り回されないことが大切です。相手によって善意と悪意を使い分けているうちは不安定な状態にあります。善意には善意、悪意には悪意では、相手によって態度をコロコロ変えているだけなのです。良い人も貫き通してこそ本物になれます。最初のうちは悪意の人からは距離を取り自分の善意を磨き、少しずつ悪意に負けない善意を作っていきたいものです。この世界にはたくさんの悪意も存在します。そういった悪意とどのように関わっていくのかも考えなければなりませんね。


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