急ぐときほど、のんびりと

 今年も大河ドラマ「花燃ゆ」を見ています。主人公の兄である寅次郎(吉田松陰)は自分の想いを遂げるため禁じられていることでも次々に挑戦していきます。封建的な江戸時代ですから、禁令を犯せば死罪もあります。しかし、寅次郎は自分の想いが届くならば死罪も辞さないという態度です。窮地に追い込まれるたびに家族や友人が助けてくれました。ところが、その家族や友人の忠告も虚しく今度は国禁を犯して黒船に乗り込みました。 


 私は何事も順序や手順が大切だと思っています。いかに自分なかで正しいと思っても、闇雲に突き進んでは想いを遂げることはできません。回り道が必要なこともありますし、待つべき時には待たなければなりません。焦ってしまうとまわりが見えなくなり、大切なことが分からなくなってしまいます。時期というものがあり、まわりの理解や協力がなければ成就することはありません。


 出る杭は打たれるという言葉がありますが、打たれる杭は段取りがうまくいかないからです。時間をかけ手順を踏まえるならば、支えてもらえる杭になることができるのです。古来より物事を成し遂げた人は、危機感や志があっても焦ることなく、着実に準備と環境を整えた人なのです。必要なのは忍耐力です。急ぐときほど、のんびり歩く心構えがないと、どこかでつまずいてしまいます。つねに心の余裕を失わないようにしたいものです。


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