もう孤独でも大丈夫です

オールアバウト連動記事
 今、大学では「ぼっち席」と呼ばれる一人でも食事ができる仕切りの付いた学食が増えているそうです。以前から、一人で食事をしているのを見られたくないと、トイレの個室で食事をする学生が話題になりました。若者の孤立化が進んでいることを象徴しているような話題です。私はこのようなニーズに迎合することに疑問を抱きます。これではますます若者の孤立を促進してしまうのではないかと思うのです。 


 一人の生活に慣れてしまえば、ますます集団生活ができなくなってしまいます。それは社会で生きていくことが難しくなるということです。大学とは学問を学ぶところですが、勉強ばかりではなく社会で生きていくために必要なことを学ぶところでもあります。人間関係の構築についても、学生が苦手とするならば、大学がケアすべき時代ではないかと思います。婚活のように友達が作れるイベントを開催したり、友達を欲しいと思っている学生同士を紹介するシステムを作ったりと、孤独を助長するよりもすべきことがあるのではないかと思うのです。 


 大学は少子化のなかで生き残りをかけ様々な取り組みをおこなっています。そんななか学生の問題を誤魔化すのではなく、きちんと向き合うような大学が登場すれば、きっと人気になるのではないかと思います。知名度・就職率・設備・奇抜な授業などが注目されますが、学生の問題と親身に向き合ってくれる大学があれば素晴らしいと思います。人間力を高めてくれる大学というのも、これから必ずニーズがあるのではないかと思います。 


 以前も書きましたが、ニーズに応えることが必ずしも良いとはいえません。社会においてもニーズに応え売上をあげようとする考えが先行しています。たとえばバリアフリーなど社会問題を解決するようなニーズ対応は素晴らしいことです。ですが、たとえニーズがあっても、そのニーズに応えることが本人のためにならないこともあります。その功罪を考えなければなりません。仕切りに守られ一人に安住できる環境と、「何だよ、一人かよ。一緒に食べようぜ」と言ってくれる学生がたくさんいる環境と、どちらが良いのでしょうか。



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