虚しさの、その先へ

 お釈迦様は王子として生まれ、いずれ王位が約束されていました。また、美しいお妃や可愛い息子にも恵まれ、世間一般の考える幸福をすべて満たしたような生活をされていました。ところが、お釈迦様は幸せを求めるために、贅沢な生活を捨て出家されたのです。もしかしたら、幸福を得るために幸福を捨てたという寓話のように思う人もいるかもしれません。ところが、お釈迦様にとっての幸福とは世間一般の考える幸福とは違っていたのです。 


 お釈迦様は幸福になるための道を仏教という名前で説いておられます。その道は厳しい道のりですが、現在に至るまで多くの人々が求め続けています。現代ほど生きることに虚しさを感じる時代はないのかもしれません。便利・快適・長寿・自由・平等の社会であり、まさに過去の人々が求めた夢のような生活を享受しています。ところが、それでいて虚しさを感じるというのが、現代社会の特徴でもあります。 


 私達はお釈迦様が捨てた生活よりも、さらに豊かな暮らしをしています。お釈迦様はご自分の生活に虚しさを感じ出家されました。私達も同じように虚しさを感じているとしたら、たとえ出家はできなくともお釈迦様が求めた道に興味を持つことも必要ではないかと思っています。虚しさに留まるのではなく、それを転機とし新たなる道を求めてみるべき時期なのかもしれませんね。


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