同級会に呼ばれる先生とは

オールアバウト連動記事
 財務省が35人学級を40人制に戻すよう文部科学省に求める方針を固めたそうです。それに対して文部科学省は35人学級の必要性を説明し継続を求めるそうです。財務省は1学級5人の差に明確な効果が見られないとしています。文部科学省は事務処理など教師の負担が多くきめ細かな教育のためには35人学級の維持が必要だと主張しています。ちなみに40人学級に戻せば、教職員を4千人減らし、86億円の人件費を削減できるそうです。


 財務省は予算削減、文部科学省は教員保護を目的とし、肝心の子供達のことなど考えてもいないような虚しい議論に思えてしまいます。今求められているのは教員数ではなく、教師の質と家庭からの干渉を防止することです。あまりにも家庭が学校に干渉し、そのため教師は子供達を指導するよりも、家庭から文句を言われない無難な教師であろうとします。教育への情熱は冷めてしまい、教科書を進めるだけで子供達の人間性については傍観している教師もいます。


 道徳授業についても議論されていますが、親も教師も子供が大人となり社会で幸せに暮らせるよう導くのが役目です。子供達のために本当に必要なことは何かという議論が為されていないのが残念です。子供達は敏感であり親や教師が自分達のことを考えていないと思えば、尊敬することもありませんし、言うことも聞かなくなるものです。真剣に向き合わなければ、子供達の心に響くことはありません。


 私のお寺では還暦の同級会でお祓いをしますが、その多くで教師が同級会に招待されています。卒業して半世紀が経つのに先生を呼ぼうとするのは、「お世話になった」という意識が強いからです。その当時は1学級40人以上いたはずですが、教師と生徒の間に確かな絆があったのではないかと思います。今の子供達が還暦を迎えたとき、はたして先生を呼ぼうと思うのか疑問ですし、そもそも同級会が開催されるかも疑問です。教育に何が必要なのか、あらためて考えさせられます。


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