生きる権利と死ぬ権利はあるのか

オールアバウト連動記事
 脳腫瘍のため余命6ヶ月と診断された29歳アメリカ人女性が安楽死が認められているオレゴン州に移住し、来月に安楽死することを公表したことへの賛否が分かれています。安楽死は自殺なのか尊厳死なのかということです。安楽死といえば意識のない状態が続き回復の兆しがない人が対象だと思っていましたが、余命宣告を受け苦痛のもと死を迎えるよりも安楽死を選ぶという選択肢があることに驚きました。



 アメリカでは5州で安楽死が合法化されており、オレゴン州では752人が医師の処方した薬剤により安楽死しているそうです。死の受け入れ方も個人の自由という考えはアメリカらしいといえるかもしれませんが、余命宣告による安楽死の選択は道徳的にも大きな問題だと思います。「命」というものを個人の自由に委ねていいものなのかと考えさせられます。キリスト教では自殺を罪としてきましたが、安楽死を自殺とは区別し美化してもいいものなのでしょうか。



 生きる権利があるならば死ぬ権利もあるという考え方には納得できません。人間の生死というものは自分では決められないものなのです。自分の意思で生まれてきた人はいませんし、自殺を排除すれば自分の意思で死ぬこともできないのが人間なのです。生にも死にも苦痛や苦悩が伴うものです。しかし、私達はそれを厳然と受け止めなければならないのです。これは自殺ではなく尊厳死ですと公表していますが、どのような状況であれ最後まで自分の命と向き合うことが命の尊厳なのではないかと思うのです。


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