商店街の活性化

 全国各地で地元の中心商店街が大手スーパーや家電量販店などの大企業の進出で、俗にいうシャッター街となっている所が多いようです。私はご縁があり、地元の中心商店街活性化の会議に参加しました。商店街の活性化といった場合に思い描くのは、20数年前に活気のあった商店街です。ですが、現在はほとんどの店舗で重いシャッターがあがることはないのです。
 
 すでに中心商店街とは記憶のなかにだけ存在し、大多数の人は外から出店してきた大型店舗で買い物をしているのが現実なのです。市民はたくさんの品揃えと低価格を求め大型店舗を選択したのです。取り残された商店街が再生繁栄していくのは難しいのが現状です。大型店舗は雇用も創出しますが、支払われた給料のほとんどは大型店舗での消費にまわされ、最終的には本社へと流れていきます。そのため地元でお金がまわらなくなり、地域が活性化しなくなってしまうのです。ですが、過去の商店街と現在の商店街を比べれば、逆らうことのできない流れというものを実感させられます。
 
 何事もそうですが、「あの頃は良かった」という過去を復活させようとしても難しいのです。時間が経過すればするほど、すべてのものが移り変わり、同じようにはいかないものです。いかに回顧しようとも、過去の世界から新しいものは生まれてはこないのです。大切なことは、「ここから」新しいものを創造していくことなのです。それは「できることからしていく」と言ってもいいかもしれません。過去に囚われ「今」や「これから」が見えないと、現状を打破することはできないのです。
 
 「今、できること」とは、そんなに大きなことではありません。ですが、とても大切な一歩だと思うのです。ところが、自分のなかに「巨大な遺跡」があると、小さなものから作りはじめる気力が出なくなってしまうのです。私達は過去を切り捨てるからこそ、新しい一歩を踏み出すことができる時もあるのです。「過去から学び、未来を見据え、今を生きる」のが理想ですが、かえって邪魔になるならば大事に抱えていることはないのです。「今、ここから」という気持ちを大切にして、新しいものを創造していきたいものです。 


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