自分への投資

 さるかに合戦は柿の種を育てられないサルが、カニの持つおにぎりと交換するところからはじまります。おにぎりは食べてしまえば終わりなのですが、柿は大きく育てば毎年たくさんの実をつけてくれます。中国の格言に「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」というものがあります。魚を与えても食べてしまえば終わりです。ですが、釣り方を教えれば自力で魚を捕ることができます。その場しのぎの援助よりも、自立できるように導くことが大切です。


 若者に限らず自分への投資は大切だと思います。投資といえば資格や英会話を連想するかもしれませんが良き習慣や人間関係、また楽しい趣味や豊かな時間なども自分への投資だと思います。けして仕事ばかりではなく、より良く生きていくための投資を考えなければなりません。必ずしも仕事の成功が人生の成功とはなりません。仕事を優先して人生が破綻した人も多くいます。仕事がすべてではなく、人生という自分の生活をトータルで考えなければなりません。


 近年は仕事優先社会から抜け出し人生をより楽しもうとする人も増えてきました。このタイプの人は必要以上の安定を求めず今を生きている人々です。ただし享楽的・刹那的に生きているわけでもなく、自分なりのペースとスタンスで生活しています。けして社会の敗北者ということではなく、新しい生き方を模索実践しているタイプです。その特徴は楽しく自分のやりたいことをやっており、悶々と不満不満に埋もれている人々は違っています。


 これから社会はますます変化し多様化していきます。安定した未来が見えないなかで、どのように自分に投資していくかは、自分で決めなければなりません。社会から与えられた道を歩くのではなく、自分で道を作っていかなければならない時代です。何を信じどのように生活していくのか。私達は自分の信念と実践が試される時代に生きているのです。




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